あなたの「よきもの」を教えてください! クロスハート幸・川崎 長尾康平さん
ロスハート幸・川崎の長尾 康平さんは、事務のお仕事を担う傍ら、利用者の皆さんに体を動かしながらパラリンピックの公式種目「ボッチャ」の楽しさを伝講師役を務めています。ボッチャの魅力などを聞きました!
障害がある人や高齢者も楽しめるスポーツとして注目を集める“ボッチャ”
週 2 回、火曜と木曜にクロスハート 幸・川崎に出勤している長尾さん。今は資料の梱包や押印などの事務の仕事を担っています。仕事のうえでは苦手なことや大変なこともありますが、ひとつひとつを丁寧にこなすことを心がけているそう。
そんな長尾さんの もうひとつの顔が「ボッチャ」の講師。ボッチャとは、パラリンピックの公式種目のひとつで、ヨーロッパで生まれたスポーツです。最近では障害のある人や高齢者も楽しめるスポーツとして注目を集めています。ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに赤と青のそれぞれ6球ずつのボールを投げたり、転がしたり、ほかのボールに当てたりしながら、いかに近づけられるかを競います。
「ボールの使い方次第で的が動くので、常に先の作戦を考えるのが面白いところでもあるし、大変なところでもあります」と長尾さん。
ボッチャを始めたきっかけは、中学の部活動でした。すっかりボッチャの魅力にはまった長尾さんは、その後高校でもボッチャを続け、今も卒業した中学と高校で練習を積んでいます。
「ボッチャには、個人戦とコンビ戦、そして3人で戦うチーム戦があります。考えを共有したり、ゲーム自体も複雑になるので、人数が増えれば増えるだけ難しくなりますが、その分やりがいや、勝ったときの喜びは大きくなりますね」と長尾さんは話します。
“ボッチャ”の講師として利用者を笑顔に。目標は2024年パリ・パラリンピック
長尾さんは現在クロスハート幸・川崎で、利用者の皆さんの 運動不足解消にとボッチャのレクリエー ションプログラムの講師を担当しています。
プログラムは、長尾さんをぐるりと囲み、スタッフが誘導しながら利用者の方がボールを転がしたり、投げたりしながら、わきあいあいとした雰囲気のなかで行われていました。
「最初は、ルールをなかなか飲み込んでもらえなくて、人に教えることの難しさを感じました。でも今は回を重ねるごとにルールを理解してもらえるようになって、笑顔が見られることも増えてきたのでとても嬉しいです」と長尾さん。
施設長の森さんも「利用者の皆さんが体を動かす機会は限られますので、ボッチャを通して体を動かしていただけることがとても良いなと感じています。長尾さんを中心にいい空気感が流れていて、今では利用者の皆さんも楽しみにしてくださっているんです」と話します。
2019年に長尾さんは、2020 年東京パラリンピックの出場選手を選ぶ日本選手権に参加しました。残念ながら敗退してしまいましたが、ボッチャの日本代表選手は30代後半や40代がメインという息の長いスポーツ。20代前半の長尾さんは若手のホープです。
「次々回のパラリンピックには出場したいです。そのために国際大会へも出場し経験を積みます」と、その目はすでに2024年パリ・パラリンピックを見据えています。